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システム連携やデータ整理、クラウド活用、情報アーキテクチャの設計を検討する際に役立つ、実務的な視点をまとめています。特定の製品やサービスを前提とせず、一般的な考え方として解説しています。

システム連携を検討する前に整理すべき事項を示す概念図
概念図:連携検討前の整理イメージ

システム連携を検討する前に整理したいこと

「システムを連携させたい」という相談の多くは、具体的な技術要件よりも先に、業務上の目的が曖昧なまま始まっていることがあります。連携そのものが目的化してしまうと、実際に必要な範囲を見誤り、後になって想定外の作業が発生しやすくなります。

まず確認したい3つの観点

第一に、連携によって「誰が」「どのような業務上の課題を」解決したいのかを明確にすることです。第二に、対象となるシステムがそもそも外部との連携を想定した設計になっているかどうかです。古いシステムや外部ベンダー管理のサービスでは、連携自体が技術的に難しい、あるいは追加の契約や費用が必要になる場合もあります。第三に、連携によって新たに発生する運用負荷、たとえばエラー時の対応やデータ不整合のチェックを誰が担うのかという点です。

「つながること」と「つながり続けること」の違い

一度連携の仕組みを構築しても、システムのバージョンアップや仕様変更によって、接続が維持できなくなることがあります。連携を検討する段階から、将来的な変更にどう対応するかを視野に入れておくことで、後々の運用負担を軽減しやすくなります。

私たちは、連携の実装に着手する前に、こうした観点を整理する「業務システム連携計画」を提供しています。詳しくはソリューションページをご覧ください。

社内データの流れを可視化するデータフロー図の概念図
概念図:データフロー可視化のイメージ

社内データの流れを可視化する基本

データフロー図は、情報がどこで発生し、どこを経由し、どこで使われるかを図として表したものです。専門的な記法にこだわる必要はなく、まずは「誰が」「何のデータを」「どこへ渡しているか」を書き出すことから始められます。

発生源・経由先・利用先を分けて考える

データフローを整理する際は、データの「発生源」「経由するシステムやプロセス」「最終的な利用先」を分けて考えると整理しやすくなります。たとえば受注データであれば、受注入力画面が発生源、在庫管理システムが経由先、経営報告用のダッシュボードが利用先といった具合です。

手作業の工程も含めて書き出す

データフローには、システム間の自動連携だけでなく、担当者がファイルを手動で転記・アップロードしている工程も含めて書き出すことが重要です。こうした手作業の工程は障害やミスの原因になりやすく、可視化することで初めて課題として認識されることが多くあります。

図は更新されて初めて意味を持つ

一度作成したデータフロー図も、業務やシステムの変更にあわせて更新されなければ、次第に実態と合わなくなります。誰が図を保守するかをあらかじめ決めておくことをおすすめします。

複数のクラウドサービス利用時の情報整理を示す概念図
概念図:クラウド利用時の情報整理イメージ

複数のクラウドサービスを利用する際の情報整理

部門ごとに異なるクラウドサービスを導入していくと、情報が分散するだけでなく、誰がどのサービスにアクセスできるのかという権限管理も複雑になっていきます。特にID管理が統一されていない場合、退職者や異動者のアクセス権が残ってしまうといった課題も生じやすくなります。

サービスごとの棚卸しから始める

まずは、組織内で利用しているクラウドサービスを棚卸しし、それぞれのサービスがどの部門で、どのような情報を扱っているかを一覧化することが出発点になります。契約内容や管理者情報もあわせて整理しておくと、後の検討がスムーズになります。

ID・アクセス権の整理

シングルサインオンなどの仕組みを導入していない場合でも、少なくとも「誰が」「どのサービスに」「どの権限で」アクセスできるかを一覧として管理しておくことは、セキュリティ上のリスクを把握するうえで重要です。

API連携は仕様の確認から

クラウドサービス間のAPI連携を検討する際は、各サービスが提供する仕様やレート制限、認証方式を事前に確認する必要があります。すべてのサービスが同じ水準で連携をサポートしているとは限らないため、個別の確認が欠かせません。

システム構成図を継続的に管理する方法を示す概念図
概念図:構成図の継続的管理イメージ

システム構成図を継続的に管理する方法

システム構成図は、作成した時点では正確であっても、時間の経過とともに実態と乖離していくことがよくあります。担当者が入れ替わり、構成図の存在自体が忘れられてしまうケースも少なくありません。

更新のタイミングをあらかじめ決める

構成図を継続的に管理するためには、「システム変更のたびに更新する」といった運用ルールを、プロジェクトの初期段階で決めておくことが有効です。更新の担当者や承認フローもあわせて明確にしておくと、放置されにくくなります。

詳細度を使い分ける

すべての構成要素を同じ詳細度で管理しようとすると、更新の負担が大きくなりすぎることがあります。経営層向けの全体像を示す図と、技術者向けの詳細な構成図を分けて管理するなど、目的に応じた粒度を使い分けることをおすすめします。

変更履歴を残す

構成図そのものだけでなく、いつ・誰が・どのような理由で変更したかという履歴を残しておくことで、後から経緯を確認する際に役立ちます。

業務システムの依存関係を確認するポイントを示す概念図
概念図:依存関係確認のイメージ

業務システムの依存関係を確認するポイント

あるシステムを更新・停止する際に、想定していなかった別のシステムや業務が影響を受けてしまうことがあります。これは、依存関係が事前に把握されていないことが原因である場合が少なくありません。

直接的な依存と間接的な依存

依存関係には、あるシステムが別のシステムのデータを直接参照している「直接的な依存」と、複数のシステムを経由して間接的に影響が及ぶ「間接的な依存」があります。後者は特に見落とされやすく、確認には関係者への丁寧なヒアリングが必要です。

「使われているかどうか」の確認

長年運用されてきたシステムほど、当初の担当者が異動・退職しており、実際にどこまで利用されているかが分からなくなっていることがあります。停止や変更を検討する際は、利用状況を関係部門に確認するプロセスを省略しないことが重要です。

依存関係図の活用

確認した依存関係は、図として整理しておくことで、次回以降の変更作業やトラブル対応の際に参照できる資料になります。

長期運用を考えた情報アーキテクチャを示す概念図
概念図:長期運用を見据えた情報アーキテクチャのイメージ

長期運用を考えた情報アーキテクチャ

情報アーキテクチャの設計は、構築した時点の使いやすさだけでなく、数年後にどのように維持管理されているかという視点を持つことが重要です。担当者の異動や技術トレンドの変化があっても、構造そのものが理解しやすい状態を保てるかどうかが問われます。

「今の最適」と「将来の維持しやすさ」

短期的に最も効率的な構成が、必ずしも長期的に維持しやすいとは限りません。特殊な設定や個別最適化を重ねた構成は、導入時には便利でも、後任の担当者が理解しづらくなることがあります。

ドキュメントと構造をあわせて設計する

情報アーキテクチャは、構造そのものだけでなく、それを説明するドキュメントとあわせて設計することで、長期的な引き継ぎがしやすくなります。私たちは、設計段階からドキュメント化の方法も含めてご提案しています。

定期的な見直しの重要性

情報アーキテクチャは一度設計して終わりではなく、業務やシステムの変化にあわせて定期的に見直すことが望ましいと考えています。見直しの頻度や範囲は、組織の状況に応じて個別にご相談ください。

記事の内容について相談したい場合は

ここで紹介した考え方が自社の状況にどう当てはまるか、具体的にご相談いただけます。